「水田稲作システムと日本における可能性」をテーマとする第3回リジェネラティブ・オーガニック カンファレンスをオンラインで開催します。パタゴニアは「リジェネラティブ・オーガニック(RO)」を指針に、農業を通じて、故郷である地球を救うための取り組みを進めています。私たちは、数百年続く水田システムを温故知新の視点で捉え直すことで、畑地と水田、それぞれの農業システムを整理・融合できる立場にあり、日本が世界のリジェネラティブ農業を牽引できる可能性を持っています。新たに制定されるRO認証の水田稲作ガイドラインを道しるべに、水田システムを原点として、「環境を再生する産業」としての農業の未来を、一緒に描いていきましょう。
主催:パタゴニア日本支社
後援:リジェネラティブ・オーガニック・アライアンス
※申込締切:前日11/26(水)17:00まで
※予約完了メールにて、当日のオンライン参加URLを共有いたします。このURLは申込者のみのものです。他者への共有や拡散はご遠慮ください。
※イベントや発表スライドの撮影や録画、動画サイトへのアップロードなどの二次利用は固くお断りいたします。
※より詳しく取り組みを知りたい方はこちら
プレスリリース
記事:水田のリジェネラティブ・オーガニックを探究する
■会場
オンライン視聴
■参加費
無料(事前予約制)
※イベント参加を申し込みされた方には、後日、期間限定のアーカイブ動画をメールにてご案内します。
■お問合せ
パタゴニアカスタマーサービス 0800-8887-447
■開催プログラム
第1部:畑と比較して考える「水田システム」の特徴と重要性
パタゴニア日本支社 近藤 勝宏、木村 純平
「気候と風土から考える、水田環境の保全と再生」 国立環境研究所・兵庫県立大学 田和 康太
「伝統的な水田の湿地システムを評価し、その世界的理解を深める」 ラムサール・ネットワーク日本 呉地 正行
第2部:RO水田システムとネイチャーポジティブに向けたその国内ポテンシャル
「RO水田システムについて」パタゴニア日本支社 木村 純平
「自然資本としての水田:お米づくりがもたらすネイチャーポジティブ効果を可視化する」 シンク・ネイチャー 久保田 康裕
第3部:水田稲作でのRO認証取得に向けた協同とその共同研究
「『コウノトリ育む農法』による水稲ROへのチャレンジ」 坪口農事未来研究所 平峰 拓郎
「コウノトリ舞う豊岡における、水生生物に対する多様な水域の効果」 兵庫県立大学 佐川 志朗
「あと300年、田んぼと山を守るために」 仁井田本家 仁井田 穏彦
「日本型ROとしての森と田んぼのいい関係」 島根大学 金子 信博
モデレーター:料理通信社 君島 佐和子
第4部:RO認証の国内運用の展望
パタゴニア日本支社 近藤 勝宏、エコサート・ジャパン 吉澤 達雄
■ゲスト
田和 康太
国立環境研究所 気候変動適応センター 特別研究員/兵庫県立大学 地域資源マネジメント研究科客員研究員
博士(環境科学)。兵庫県立大学、土木研究所に勤務後、2022年4月から現職。学生時代から食料生産の場である水田水域の農事暦に対応した水生動物の生活史のおもしろさに魅了され、保全生態学、応用生態工学の観点からフィールドワークを展開。近年では治水と生物多様性の保全を両立する水田水域、遊水地の活用に関する研究に着手。著書「水田環境の保全と再生」
呉地 正行
NPO法人ラムサール・ネットワーク日本理事、日本雁を保護する会会長
農業湿地としての水田の湿地機能を活かし、水鳥と共生する「ふゆみずたんぼ」を提唱し、その啓発普及に尽力。水田の生物多様性の底力への国際的認知を得るため、日韓政府にラムサール条約での水田決議提案を呼びかける。2008年に採択された「水田決議 X.31」には、起草段階から貢献し、2022年にラムサール条約事務局からラムサール賞・ワイズユース部門を受賞。
久保田 康裕
株式会社シンク・ネイチャーCEO、琉球大学教授
専門はマクロ生態学。世界中の森林を巡るフィールドワークと、ビッグデータやAIを統合したアプローチで、生物多様性の保全再生を推進。研究チームで「株式会社シンク・ネイチャー」を起業し、生物多様性地図化プロジェクト(J-BMP)など自然資本を可視化するデータ・テクノロジープラットフォームを構築し、生物多様性市場を創出することに挑戦している。
平峰 拓郎
株式会社坪口農事未来研究所取締役
コウノトリ舞う兵庫県豊岡市で昭和50年頃から続く米農家。 平成26年に亡き義兄より事業を引き継ぎ、令和元年法人化を機にIT業界から本格的に転身、気候変動による危機感から環境配慮型のコウノトリ育む農法やパタゴニア日本支社協力のもとソーラーシェアリング、リジェネラティブ・オーガニック等に取組みながら 未来の農業を模索している。2025年、管理農地が自然共生サイトに認定。
佐川 志朗
兵庫県立大学大学院地域資源マネジメント研究科教授
専門は水域生態学、応用生態工学。河川、湖沼および水田を含む流域全体を研究フィールドとして、水生動物の生息に寄与する物理環境要因の解明、それに基づく生息場所復元(自然再生)に関する研究を行ってきた。兵庫県立コウノトリの郷公園の主任研究員、兵庫県立大学自然・環境科学研究所の教授を兼任。
仁井田 穏彦
仁井田本家代表
1965年生まれの60歳。東京農大を卒業後、1711年創業の仁井田本家十八代蔵元兼杜氏として蔵を仕切って30年。「日本の田んぼを守る酒蔵になる」をミッションとし、すべてのお酒を自然米・天然水・生もとで醸し、自社杉での木桶造りも行っている。水田でのリジェネラティブ・オーガニック認証取得を目指す。
金子 信博
島根大学客員教授
生態系の物質循環を支える土壌動物の多様性と機能を、耕さない農地に応用。主な著書に「土壌生態学入門 (2007)」、「土壌生態学(編著)(2018)」、「ミミズの農業改革(2023)」。日本の大学院で初めてのアグロエコロジープログラムを福島大学大学院食農科学研究科に開設。横浜国立大学名誉教授・福島大学名誉教授。
君島 佐和子
フードジャーナリスト/料理通信社取締役
『料理通信』編集長および編集主幹を務め、2021年春に編集部を離れてからはフードジャーナリストとして活動。20年より立命館大学食マネジメント学部で「食とジャーナリズム」の講義を担当。辻静雄食文化賞専門技術者賞選考委員、日本最大級の料理人コンペティション「RED U-35」22~25年審査員。著書に『外食2.0』(朝日出版社)。
吉澤 達雄
エコサート・ジャパン株式会社代表取締役社長
1993年慶應義塾大学経済学部卒業。2006年ミドルベリー国際大学院 MBA。モービル石油、DHL ジャパン等を経て、2018年エコサート・ジャパン入社。オーガニック認証のリーディングカンパニーとして、食品、酒類、コスメ、テキスタイルの認証サービスを提供。国内のオーガニックマーケットの拡大、製品の輸出促進を認証の立場からサポート。
近藤 勝宏
パタゴニア インパクト部門ディレクター
1995年パタゴニア入社。店舗運営やビジュアル・マーチャンダイジングの立ち上げ、マーケティング部門でのブランド戦略を経て、2016年に食品事業の日本展開を主導。2025年よりインパクト部門ディレクターとして、食と農分野に加えて、水域・陸域の回復、草の根の環境団体支援等を通じて、気候危機の解決とネイチャーポジティブの実現に取り組む。
木村 純平
パタゴニア インパクト部 リジェネラティブ・オーガニック リサーチ担当
2020年パタゴニア入社。リジェネラティブ・オーガニックを指針として、農地管理や農法、農業の国内における検証と推進を担う。リジェネラティブでオーガニックな農業経済システムの形成を目指しており、気候風土や歴史伝統に根ざした国内農業の発展への貢献を通じて、パタゴニアのミッション達成を目指す。